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法人会の平成18年度税制改正要望事項


聖域なき行財政改革の断行を!


 平成17年9月21日、東京国際フォーラムにおいて 『平成18年度税制改正要望大会』 が開催された。全国からの代表1300人余が集い、税制改革に関する決議や要望事項が115万法人会員の総意として満場一致で採択された。
 18年度の税制改正要望の特徴は、日本経済を蘇生させる条件として『行財政改革の徹底断行』、『国民に負担増を求めるところと軽減できるところを明示したメリハリある税制改革』、『中小企業の重要性に配慮すべきこと』『租税教育の重要性の主張』などに、法人会の独自性が強く出ているところである。この要望事項は、17年中に政府・関係諸官庁へと陳情された。



法人会の税制改革に関する提言

 わが国経済は、懸命な企業努力によって、最近ようやく明るい兆しが見えてきたが、大部分の中小企業は依然として経営健全化のために厳しい努力を強いられている。しかるに、国および地方自治体は、危機的な財政を抱えながら更に赤字公債を増額させ、未だ行財政改革の道標を立てていない。
 このような状況では、わが国経済の再生は覚束なく、企業の活力復活にも支障を来たし、国民が安心して生活できる社会基盤も崩壊することとなる。いまこそ、国および地方自治体は『聖域なき行財政改革』をスローガンに終わらせることなく断行し、社会保障制度を構築し、国の不安を払拭すべきである。
 いうまでもなく、わが国の経済活性化のために税制が果たしている役割は、極めて大きい。国は、これらの税制改革に当たっては、企業経営の実態を正しく認識し、景気回復にも配慮し、めりはりのある望ましい税制の構築を目指し、努力したものが報われ真面目な納税者が尊敬されるように努めるべきである。
 具体的には、法人税負担を軽減し、事業承継税制を確立し、所得税の機能を重視し、地方税の合理化を図り、消費税問題の環境を整備すべきである。以上、納税意識の高揚に努めてきた法人会は、税のオピニオンリーダーを自負し、全国115万会員の総意として、提言する。

平成17年9月5日 財団法人全国法人会総連合


大会スローガン


    ◎歳出削減目標を明確にし聖域なき行財政改革の断行を!
    ◎厳しい経営環境を打破するためにも中小企業に配慮した税制を!
    ◎法人税率を引き下げ留保金課税を廃止し中小企業に活力を!
    ◎所得税の抜本的な見直しを行い広く薄く国民全体で負担を!
    ◎中小企業の重要性を認識し事業承継税制の確立を!
    ◎消費税率を引き上げる前に行財政改革の徹底と歳出の見直しを!
    ◎行財政改革を徹底し地方も行政の合理化・効率化を!
    ◎少子高齢社会を踏まえ国民が安心できる社会保障制度の確立を!


法人会の平成17年度税制改正要望事項


法人課税軽減し事業承継税制確立を



 平成16年9月22日、東京国際フォーラムにおいて 『平成17年度税制改正要望大会』 が開催された。全国からの代表1300人余が集い、税制改革に関する決議や要望事項が120万法人会員の総意として満場一致で採択された。
 17年度の税制改正要望の特徴は、『聖域なき行財政改革の断行による歳出削減』、『社会保障不安の払拭を求めるとともに、景気回復のための法人課税の軽減と事業承継税制の確立』を求めている点で、同時に、真面目な納税者が尊敬される社会の構築を求めている点などに法人会の独自性が見られる。
 この要望事項は、昨年中に政府・関係諸官庁へと陳情された。



税制改革に関する決議


 厳しい企業努力によって、最近ようやく景気回復の兆しがみえてきたが、殆どの中小企業は、いまなお経営健全化のために懸命な努力を続けているのが実状である。しかるに、経済の安定と持続的成長の確保に責任を負っている政府は、危機的財政の再建見通しすら示せないでいる。
 このような状況では、日本経済の再生、すなわち企業の活力復活は難しく、国民が安心して生活できる社会の創造も困難である。いまこそ政府は、聖域なき行財政改革による歳出削減を断行し、社会保障不安を払拭するなど、国民の期待にこたえるべきである。
 いうまでもなく、日本経済活性化のために税制が果たしている役割は、極めて大きい。政府は企業経営の実態を正しく認識し、景気回復に努め、例えば法人課税を軽減し事業承継税制を確立する。さらには消費課税の充実、地方税制の改革などを実現すべきである。
 これらの税制改革に当たっては、常に望ましい税制の構築を目指し、努力したものが報いられ、真面目な納税者が高く評価され、かつ尊敬される社会をつくるべきである。よき経営者を目指し納税道義の高揚と税務知識の普及に務めてきた法人会は、税のオピニオンリーダーを自負し、全国120万会員の総意として以上、決議する。

平成16年9月22日 財団法人全国法人会総連合


大会スローガン


    ◎議員・公務員定数の大胆な削減と給与・歳費の抑制を!
    ◎中小企業の重要性を認識し元気が出る税制の確立を!
    ◎中小企業の基盤強化を図るため  留保金課税の廃止を!
    ◎所得税の抜本的な見直しを行い広く薄く国民全体で負担を!
    ◎地域の活性化や雇用確保に資するため事業承継税制の確立を!
    ◎消費税率を引き上げる前に行財政改革の徹底と歳出の見直しを!
    ◎行財政改革を徹底し地方も行政の合理化・効率化を!
    ◎社会保障制度の将来像を明確にし将来不安の解消を!


聖域なき行財政改革による歳出削減を断行せよ
要望事項抜粋


総 論
税制改革等に関する提言
日本経済は企業の厳しい合理化努力等もあって、ようやく景気回復の基盤を固めうる状況となった。この重要な時期に当たり、政府においては行財政改革や税制改革をはじめ、以下に指摘する諸改革を断行し、速やかに活力ある経済社会を再生するよう強く求めるものである。
第一 税制改革による経済活性化の推進
第二 強力な行財政改革による財政再建


1.財政再建目標年次の策定
2.歳出の全面的な見直しと削減
3.公務員および議員の定数削減と給与抑制等
4.特殊法人等の改革の推進
5.政府規制の緩和と民間部門の活用
第三 社会保障制度の抜本的な改革
第四 国と地方との関係の見直し
第五 租税教育の普及

各 論
当面の改正事項

活力ある経済社会の構築、とりわけ地域を支える中小企業を活性化し、かつ公平にして中立、簡素そしてなによりもまず納税者に信頼される税制を確立、併せて景気回復を目指し以下の改正を実現するよう求める。
第一 法人税制について
わが国の法人税制はここ数年来、国際化への対応、あるいは景気への配慮等により相当の見直しが行われてきた。しかし、いまなお進行している激しい構造変化とりわけ中小企業がおかれている厳しい経済環境からみて、なお是正すべき点が多い。このため、右の各事項の改革を行うものとする。
1.基本税率の引き下げ
2.中小企業軽減税率の引き下げ
3.中小企業への留保金課税の廃止
4.交際費課税の抜本的な見直し
5.役員報酬と賞与への課税の見直し 
6.支払い配当への二重課税の是正
7.課税ベース等の見直し

(1)減価償却の耐用年数等の是正
(2)欠損金の繰戻還付制度の復活
(3)租税特別措置の扱い
第二 個人所得税制について
 所得税、住民税などの個人所得税制は、景気対策として行った恒久的減税の影響もあり、いわゆる税の空洞化現象が進み、税制調査会等でその是正の必要性が提起されている。所得課税の基幹税としての機能回復の意義を認識し、以下に指摘する改革に積極的に取り組むよう求める。
 1.所得税と住民税のあり方
   2.各種人的控除等の整理・合理化
   3.少子・高齢化への対応
   4.金融所得の一体課税
   5.納税者番号制度の導入
   6.電子申告制度の整備
第三 事業承継税制の確立について
 相続税および贈与税について、相続時精算課税制度が導入され、これを多くの人が利用し、それなりに中小企業経営者らの事業承継にも寄与していると評価できる。しかしながら、雇用の維持・増加等の面で中小企業が地域社会において果たしている役割を考えるならば、欧米並みの事業承継税制を制度として確立することが不可欠であり、以下の改正を求める。
1.取引相場のない株式等の課税軽減
2.物納要件の緩和等
第四 消費税の充実について
第五 地方税制の見直しについて

1.固定資産税の軽減
2.事業所税の超過課税の廃止
3.法定外目的税の乱用の防止
4.申告納税制度の改革
第六 環境税制について




平成16年度の税制改正の基本的な考え方


@最近の社会経済情勢と財政状況を踏まえ、持続的な経済社会の活性化を実現するための『あるべき税制』の構築に向け、住宅・土地税制、中小企業関連税制、金融・証券税制、法人税制、国際課税等について適切な措置を講じること。

A年金税制について、年金制度改革に資する観点をも踏まえつつ、世代間および世代内の公平を確保するための見直しを行うこと

B地方分権を推進する観点から所要の措置を講じること
(平成16年度税制改正要綱より)


税制改正のあらまし


1. 中小企業・ベンチャー企業の支援
(1)欠損金の繰越期間の延長

@欠損金の繰越期間を5年から7年に延長
 これまで発生以後5年間で失効していた欠損金が、6・7年目の所得と相殺することが可能になります。

▼平成13年度に欠損金が発生した場合(〇繰越可能:×不可)
年度 13 14 15 16 17 18 19 20
現行

× ×
改正後
※適用期間・・・平成13年4月1日以後開始した事業年度において発生した欠損金額から適用
A帳簿書類の保存期間が一律7年に延長
 欠損金の繰越期間の延長に伴い、帳簿書類の保存期間(現行5年または7年)が、一律7年に延長されました。
※適用期間・・・平成13年4月1日以後開始した事業年度にかかる帳簿書類から適用
(2)中小同族株に対する相続税の軽減措置の拡充
事業承継時の中小同族株に対する相続税の課税価格の減額措置(課税価格の10%を減額)について、軽減対象となる特定同族株式等の価額の上限(改正前3億円)が10億円に拡充されます。
※適用期間・・・平成16年1月1日以後に相続等(遺贈を含む)により取得した財産から適用
(3)相続株式をその発行会社に譲渡した相続人株主の課税の特例
 相続後一定期間内に、相続した非上場株式を発行会社に譲渡した場合には、みなし配当課税とせず、株式譲渡益課税(税率20%申告分離課税)の対象となりました。
※適用期間・・・平成16年4月1日以後の相続等により取得した非上場株式を譲渡した場合から適用
(4)非上場株式等の譲渡益に対する税率の引き下げ
 改正前26%(所得税20%・住民税6%)
改正後20%(所得税15%・住民税5%)
※適用期間・・・平成16年1月1日以後の株式譲渡から適用
(5)中小企業投資促進税制の延長
 中小企業投資促進税制の適用期限が2年間延長されました。なお、対象設備(器具・備品)の取得価額用件(改正前/100万円以上・リース140万円以上)は、120万円以上・リース160万円以上に引き上げられました。
※適用期間・・・平成16年4月1日から平成18年3月31日までの間に取得等をして事業の用に供する対象資産 ※『器具・備品』とは、電子計算機、デジタル複写機等です。



2.土地・住宅税制
(1)土地譲渡益課税の税率引き下げ等
@長期譲渡所得
改正前26%(所得税20%・住民税6%)
改正後20%(所得税15%・住民税5%)
なお、長期譲渡所得の100万円特別控除は廃止されました(平成16年分以後の所得税及び平成17年度分以後の個人住民税から)。
※適用期間・・・平成16年1月1日以後に行う譲渡から適用
A短期譲渡所得
改正前52%(所得税40%・住民税12%)
改正後39%
(所得税30%・住民税9%)
※適用期間・・・平成16年1月1日以後に行う譲渡から適用
B土地等の譲渡所得と他の所得との損益通産を廃止
土地・建物等の譲渡による損失があっても、その所得以外の所得との通算ができなくなりました。
※適用期間・・・平成16年分以後の所得税及び平成17年度分以後の個人住民税から適用
(2)法人の土地譲渡益に対する追加課税制度の停止措置の延長
追加課税制度の停止措置
(一般5%・短期10%の重課)
5年延長
※適用期間・・・平成20年12月31日までの間に行う譲渡に適用
(3)住宅ローン減税の延長
 住宅ローン控除が平成16年から平成20年まで延長されました。
 限度額や控除率は次の通りです。
居住年 住宅借入金等の年末残高 適用年・控除率
平成16年 5,000万円以下 1〜10年目 1%
平成17年 4,000万円以下 1〜8年目
9〜10年目
1%
0.5%
平成18年 3,000万円以下 1〜7年目
8〜10年目
1%
0.5%
平成19年 2,500万円以下 1〜6年目
7〜10年目
1%
0.5%
平成20年 2,000万円以下 1〜6年目
7〜10年目
1%
0.5%
(4)特定の居住用財産の譲渡損失の繰越控除制度の創設等
 居住用財産の買換え等の場合の譲渡損失の繰越控除制度について、譲渡資産に係る住宅ローンの残高がない場合を適用対象に加えたうえ、適用期限が3年間延長されました。また、買換えの場合に加え、借家に住み替える場合についても、譲渡価額を上回る住宅ローンがある場合には、その差額を限度として、譲渡損失の繰越控除を認める制度が創設されました。
※適用期間・・・平成16年1月1日から平成18年12月31日までの譲渡について適用



3.年金税制
(1)公的年金等控除の65歳以上の上乗せ措置の廃止
 公的年金等控除のうち、65歳以上の人に対して上乗せされていた定額控除分が廃止されました。
     65歳以上 100万円
     65歳未満  50万円
一律50万円
(2)老年者控除の廃止
 65歳以上で合計所得金額が1,000万円以下の人に適用される老年者控除(改正前/50万円 内個人住民税48万円)が廃止されました。
(3)老年者特別加算の特例措置
 これまで140万円(65歳未満70万円)だった公的年金等控除の最低保障額が、一律70万円となりました。なお、老年者特別加算として65歳以上の人については、最低保障額を50万円加算し、120万円とする特例措置が取られます。
※適用期間・・・(1)〜(3)とも平成17年分以後の所得税及び平成18年度分以後の個人住民税から適用



4.地方税制
(1)個人住民税均等割の見直し
@市町村税の人口段階に応じた税率区分を廃止
     3,000円(人口50万人以上の都市)
     2,500円(人口5万人以上50万人未満の都市)
     2,000円(その他の市町村)
3,000円
※適用期間・・・平成16年度分以後の個人住民税から適用
A夫と生計を一にする妻に対する非課税措置の廃止
生計同一の妻に対する非課税措置を段階的に廃止し、妻の所得金額が一定金額を超える場合に均等割が課せられます。生計同一の妻に対する非課税措置を段階的に廃止し、妻の所得金額が一定金額を超える場合に均等割が課せられます。
※適用期間・・・平成17年度分以後の個人住民税から適用(ただし、平成17年度分については、その税率が2分の1に軽減されます)
(2)固定資産税
 地方公共団体が、商業等にかかる固定資産税について、負担水準の上限を一定の範囲内で減額できる制度が創設されました(都市計画税についても同様)。
 また、地方公共団体の課税自主権の拡大を図るための措置として、固定資産税の制限税率を廃止するとともに、標準税率の定義を見直し、税率変更の自由度が拡大されることになりました。

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法人会の要望が実現した
16年度税制改正を具体的に見る!



1.非上場株式の譲渡益に対する税率の引き下げ
実例・・・非上場株式の譲渡益が1,000万円の場合
改正前1,000万円×(所得税20%+住民税6%)= 260万円
改正後 1,000万円×(所得税15%+住民税5%)= 200万円
260万円−200万円=60万円の減税
2.法人の土地譲渡益に対する追加課税制度の停止措置の延長(5年)
実例・・・長期所有土地等譲渡益3,000万円の場合
平成9年12月31日まで 3,000万円×5%=150万円
改正後0円 150万円の減税


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